胸筋にびゅーびゅー吹きし潮風は岩場の陰をすり抜けてゆき

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うらかなし言葉駆使して梅雨空の一人暮らしを歌ってみるか


木瓜の棘条痕しるし赤き花咲かしているか胸の疼きよ


近づけば憂いを生じ不安さえ湧きだす夕べ遠い人よし


身を清め野卑をぬぐいて横臥する生贄儀式はいかなる因果


夜明け前衣類くくりて駅に立つ冷笑さえも捨てられており


言い訳もことの初めの儀式なり段取りならば聞き流すのみ